(ああもうおれはだめなのだ、きっとあたまのなかはミートソース)





生まれてはじめての嫉妬だった、それは。なんだか、かっと顔が赤くなって、血が集まってくるのを感じた。怒りなのか恥ずかしさなのか? それは多分ひとつには絞れない。ただオレは知っている。この感情の片づけ方なんてどこにもないということを。
生まれてはじめての嫉妬で泣いた。ぐしゃぐしゃになった顔がとてつもなく浅ましく思えた。嫉妬から派生した沢山の感情が、無情にオレを突き刺した。狂う程の痛みは、けれど余計にあたまを冷静にさせた。おかしい、腐っている脳味噌のくせに、どうして冷静さを得られる?
ああかあさんごめんなさい、オレは母に嫉妬して、母に懺悔するのだ。
ああとうさんごめんなさい、オレは父を偏愛して、父を侮蔑するのだ。
生まれてはじめての嫉妬の矛先は大好きな母だった。それが何より母を裏切ってしまったような気がして、否、かあさんを裏切ってしまったことに、オレはただいっときの気の迷いだと弁解を、墓標の前で土に顔を擦りつけて、ひたすらに許しを請うのだった。



(090817/メモログ/親父好きすぎてもうわたしがウハウハ)
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